ITパスポートはゴミ検定?取る意味はないのか
ITパスポートはIT系資格の登竜門として有名な国家資格なのですが、
- ゴミ検定
- 意味ない
- 使えない
など、ネット上ではかなり酷評されているようです。
ITパスポートは取得しても無駄!という意見を持った人もいますが、
文系未経験でIT企業に就職した私にとっては、取得したことによるメリットが多いと感じています。
この記事では「なぜITパスポートはゴミ検定と言われてしまうのか」といった理由と取得することによるメリットなどについて見ていこうと思います。
ITパスポートはどんな資格?
ITパスポート試験、通称Iパスは、
職種や職位を問わず全ての社会人を対象としており、
ITの基礎知識だけではなく、ビジネス、情報セキュリティ、コンプライアンスといった
幅広い知識を身につけることを目的とした資格試験です。
ITパスポートを取得していることは
ITに関する基礎知識を持っていることが客観的に証明されることになります。
なぜITパスポートはゴミ検定と言われているのか
しかし、ネット上では、ITパスポート=ゴミ検定などと言われかなり酷評されています。
そう言われている、3つの理由をご紹介します。
難易度が低い
「ITパスポート=国家資格」であると聞くと難しそうに感じてしまいますが、
実は難易度はそれほど高くありません。
ITパスポート試験の合格率は、毎年約50%前後と非常に高いです。
【ITパスポート試験】統計情報
また、以下の図を見ると分かるように、
ITパスポート試験はエントリレベル(レベル1)に分類されており、情報系の資格の中では最も入門者向けの難易度となっています。
レベル | 主な試験 |
レベル4:高度な技術、知識 | プロジェクトマネージャー試験、ITストラテジスト試験 |
レベル3:応用的な知識、技能 | 応用情報技術者試験 |
レベル2:基本的知識・技能 | 基本情報技術者試験、情報セキュリティマネジメント |
レベル1:職業人に共通に求められる基礎知識 | ITパスポート |
このように、難易度が低く、誰でも合格できる試験だと思われていることが、ITパスポート=ゴミ検定と言われてしまう理由の一つです。
なおITパスポート試験合格後の次のステップとしては、基本情報技術者試験が人気となっています。
基本情報については以下の記事で詳しく紹介しています。
知識の専門性が弱い
ITパスポートは国家資格ではありますが、
弁護士や医師などの資格と違って知識の専門性が求められる資格ではありませんし、受験資格もありません。
ITパスポート取得に向けて必要な知識は、ITを扱う上で必須な広く浅い基本的知識に限られます。
つまり、IT業界に携わっている人にとって見れば、知っていて当たり前の知識です。
このように、知識の専門性が求められる資格ではないことが、ITパスポート=ゴミ検定と言われてしまう理由の一つです。
IT業界における就職・転職時のメリットが小さい
IT業界において、ITの基礎知識があるのは当たり前です。
ですので、ITの基礎知識が問われるITパスポートを取得していることで就職や転職の際、
他の人より優位に立つことはほとんどありません。
転職時などは、年齢や経験との兼ね合いもありますが、企業によっては「レベルが低い」と見なされてしまう可能性もあるそうです。
このように、IT業界における就職・転職時にメリットが小さいことが、ITパスポート=ゴミ検定と言われてしまう理由の一つです。
今後もITエンジニアとしてスキルアップを目指していきたいという方は、ITパスポートを通過点として捉え、基本情報技術者・応用情報技術者、あるいは他の高度情報資格の取得を目指しましょう。
「ITパスポートはゴミ検定」ではない!
確かにITパスポートはマイナスな噂や偏見があります。
しかし、文系未経験でIT企業に就職した私にとっては、取得したことによるメリットが多いと感じています。
実際にITパスポートを取得した私が、取得したことで得られたメリットについてご紹介します。
ITの基本的な知識が身についた
ITパスポートでは、ITとはどのようなものか、ITの仕組みや基本的な知識などを習得することができます。
試験の難易度はそこまで高くないので、IT知識が0の方でも、ある程度勉強をすれば試験に合格でき、IT基礎知識を身に着けることができます。
中には、「IT業界で働いてないので必要ない!」といった意見をお持ちの方もいるかもしれません。
しかし、今ではITは私たちの生活基盤の一つであり、ITなくしてビジネスは成立しない時代となっています。
つまりIT業界で働いていなくても、ビジネス・パーソンとして働く以上、ITの基本知識は必要不可欠です。
ですので、若手社会人や学生など多くの方にぜひ挑戦してほしい資格です。
IT以外の知識も習得することができた
ITパスポートは、大きく分けて以下の4つの知識を身につけることが出来ます。
①情報セキュリティや情報モラルに関する知識
②企業のコンプライアンスや法律に関する知識
③経営戦略・財務などの経営全般に関する基礎知識
④業務上必要なIT知識
このようにITに関することだけでなく、企業活動や経営戦略、会計、法務など、社会人において必要な幅広い知識を幅広く習得することできたのもメリットの一つです。
基本情報技術者試験取得の基礎固めになった
ITパスポートは、基本情報技術者試験などの上位資格を取るための第一歩に繋がります。
まず、ITパスポートを取得しておくことで、基礎知識が身につくので、
さらに上位の資格を目指すための足掛かりになり、将来のキャリアアップや自身の成長にも活かせます。
ITパスポート資格を取ったから、おしまいという資格ではありませんが、ITパスポートをきっかけに上位資格である基本情報技術者資格を目指すことを考えれば悪くない資格だと思います。
私自身、基本情報技術者試験の学習に行き詰っていた途中で、ITパスポート試験を受験しました。
ITパスポート試験を受験したことで、ITに関する知識がどれぐらい定着しているか確認することができ、自分の自信へつながりました。
ですので、同じような状況の方は、今現在どれぐらいの知識があるか確認のために試しに受験することをおすすめします!
ITパスポートの取得を「受ける必要がない人」と「おすすめしたい人」
これまで、ITパスポート取得によるメリットをいくつかお伝えしてきましたが、
- 現役エンジニアプログラマ
- 情報系の大学生、専門学生
上記に当てはまる方は、ITパスポートを受ける必要がないといえます。
現役エンジニアプログラマの場合、ITパスポートを取ったからと言って本格的な業務ではほとんど役に立たないですし、会社に評価される可能性は低いからです。
ほとんどのIT企業では評価の対象が一つ上のレベルの基本情報技術者試験からとなっていることが多く、基本情報を取ってしまえばITパスポートの存在意義は完全になくなってしまいます。
また、情報系の大学生専門や専門学生の場合も、大学のカリキュラムでITパスポートより上位の試験の「基本情報技術者試験」レベルの知識は学習するので、ITパスポートは受けずに基本情報技術者試験を目指すという方が多いです。
私の会社の情報系出身者もITパスポートは持っておらず、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験を取得、合格を目指している人がほとんどでした。
一方で、以下のような方には是非ITパスポートの取得をおすすめしたいです。
- 未経験でITエンジニアを目指す人
- IT知識に乏しい人
ITパスポート試験の勉強をすることで、基礎的なIT知識は習得することができます。
ですので、私のように未経験でIT業界に入社される方や、未経験でIT業界への転職・就職を考えている方は取得することによるメリットは大いにあると思います。
最後に
現役のエンジニアや情報系学生など、人によっては役に立たないこともありますが、
私のように未経験でITを基礎から学習したい人にとっては十分役立つ資格と言えます。
現在私は、システムエンジニアとして都内の企業で働いていますが、
ITパスポートの学習を通じて習得した知識は基礎中の基礎で、知っていることは当たり前のものとして業務が進みます。
なので、勉強したことは無駄ではなかったと思っています。
未経験でIT業界を目指している人、基本情報技術者試験への学習で行き詰っている人は
是非挑戦してみてはいかがでしょうか?
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