
プログラミング未経験で、IT知識も全くない、、
そんな私が基本情報技術者試験に合格することができるんでしょうか…?
結論としては、独学で合格することができます!!!
実際に、私もプログラミング経験が全くなく、IT知識が0の状態でスタートしましたが、
合格することができました。
「どれくらい頑張れば結果が出るんだろう…」と悩んでいる方は、この記事を読めば正しい努力の方向性がわかりますよ!
はじめに
基本情報技術者試験はエンジニアを目指す人、IT業界に携わっている人など、
多くの人が受験する資格です。
エンジニアとしてのキャリアを始めるなら、まず初めに取得したい資格です。
私は文系未経験で昨年入社したばかりのエンジニアですが、
2021年12月の基本情報技術者試験に合格することが出来ました。
(※この記事はIT未経験の方を対象にしています。
ある程度プログラミングを学習したことがあるかたにはあまり参考にならないかもしれませんので
予めご了承ください。)
筆者のスペック
・大学受験時は、英語・国語・日本史選択。数学大嫌い。
・大学は経済学部経済学科を専攻。
・プログラミング未経験。
勉強時間目安とスケジュール
約4か月間、300時間ほど学習しました。
会社に入社する前の3月から学習をスタートしましたが、6月,7月は会社の発表準備とITパスポート受験でほぼ勉強できませんでした、、
なので実質勉強した期間は4か月間くらいです。
月 | 勉強時間 | モチベーションの推移と学習状況 | 午前過去問点数 | 午後過去問点数 |
---|---|---|---|---|
3月 | 6時間 | 勉強をスタートしたばかりで やる気に満ち溢れていた | 5割 | 解いてない |
4月 | 平日1時間、休日5時間 | 3月のモチベーションを維持 | 7割 | 解いてない |
5月 | 平日1時間、休日5時間 | 午後問題を初めて解いて 難しさのあまり悶絶… | 7.5割 | 4割 |
6月 | ほぼ0 | 会社の研修と発表があり、 ほぼ勉強できなかった | 解いてない | 解いてない |
7月 | ほぼ0 | 基本情報の勉強に自身がなくなって、 一回ITパスポートをうけることに | 解いてない | 解いてない |
8月 | 平日1時間、休日5時間 | 残り4か月しかない!と焦りだす この頃から午後試験の学習に力を 入れ始める | 7割 | 5割 |
9月 | 平日1時間、休日5時間 | 焦りから勉強ははかどった | 8.5割 | 5割 |
10月 | 休日5時間 | 仕事が忙しくなり、平日はほぼ勉強 できず、、午前試験までは、 ほぼ午前試験の問題だけを学習 | 8.5割 | 5割 |
10/10 | 午前試験受験 | 午前試験後、午後試験との間が空きすぎ て中だるみしてしまった | 9割 | 5割 |
11月 | 休日5時間 | ラストスパート頑張るぞ!という ことで、午後試験の過去問を 解きまくる | – | 6割 |
11/21 | 午後試験受験 | 試験終了 | – | 7割 |
長々と書いてすみません、、
こんな感じで勉強がはかどらなかった月もありましたが、
ITの知識があまりない文系の人や初学者が基本情報技術者試験に合格しようと勉強する場合、
約200時間の勉強が必要だと言われています。
ブログなどで「未経験なのに1か月で合格できました!」などという記事をよく見かけます。
しかし、現実はそう甘くはないと思います。
よっぽど、自頭が良い方でなければ、一か月の勉強期間だけで合格することは難しいと私は思います。
特に会社員の方は平日は仕事で時間がなかなか取れません。
なので、毎日少しずつでも学習を継続してコツコツと取り組むことが大切です。
午前試験と午後試験は、同じ日に受けるべき??
基本情報技術者試験は、CBT方式(PCで受ける試験方式)に移行してから、
午前試験と午後試験を別日に受験することが可能になりました。
私は、午前試験と午後試験をなるべく別日に受験することをお勧めします!!
「午前試験を早めに受験し、その後は午後試験の勉強に専念できる」という大きなメリットがあるからです!
会場の空きによっては、最大2ヶ月近く受験期間をあけることができます。
私は、午前試験受験後、1か月近く間をあけて、午後試験を受験しました。
期間をあけて受験したことで、午後試験に専念でき良かったのですが、私は、午後試験まで時間が空きすぎて、途中からやる気がなくなってしまいました、、泣
ですので、「集中力がそんなに続かない!」という人は、あまり間をあけないで受験したほうが良いかもしれません、、
試験の出題範囲
基本情報の試験は午前試験と午後試験があり、どちらの試験も合格する必要があります。
全問CBT方式(PCを用いたマークシート方式)です。
午前と午後では出題形式がガラッと変わります。
試験時間 | 出題数 | 回答数 | 問題形式 | |
午前試験 | 150分 | 80問 | 80問 | 四肢択一式(マークシート形式) |
午後試験 | 150分 | 11問 | 5問 | 多肢択一の長文読解式 |
午前試験は、以下のカテゴリーから80問出題されます
- テクノロジ系
- マネジメント系
- ストラテジ系
午後試験は、11問中5問のみを解答します
- 情報セキュリティ【必須解答】
- ソフトウェア・ハードウェア
- データベース
- ネットワーク
- ソフトウェア設計
- プロジェクトマネジメント
- サービスマネジメント
- システム戦略
- 経営戦略・企業と法務
- データ構造及びアルゴリズム【必須解答】
- ソフトウェア開発【必須解答】
「情報セキュリティ」、「データ構造及びアルゴリズム」、「ソフトウェア開発」の3問の回答は必須となっています。
私は、選択言語は、「Java」そして、上記の3問に加えて、「ソフトウェア・ハードウェア」、「サービスマネジメント」を選択しました。
プログラミング言語は何を選ぶべき?
プログラミング言語は何を選ぶべきなのか、、?
これは、文系未経験で試験に挑む皆さんが一番悩むところであると思います。
私も実際ものすごく悩みました…
今後のことを考えれば、下記の理由などから選ぶのが1番良いと思います。
- 自分が興味のある言語
- 勉強してみたい言語
- 会社で使っている言語
- これから使う可能性のある言語
ただ、「会社でも仕事でも特にプログラミングを使わない」、「勉強したい言語もない」という方は、表計算が良いのではないかと思います。
ただ年々表計算の問題の難易度も上がっており、難しい問題もあるため、「表計算ならノー勉で行ける!」などと考えず、しっかりと対策をすることが大切です!
私は、会社の研修でJavaをやっていたので、Javaを選択しましたが、
やはり実務経験が無いとかなり難しく感じました。
しかし、なんとか合格することができたので、プログラミング言語問題で表計算以外を選択した方にも役立つ勉強方法を紹介できればと思います。
使用教材
続いて、私が使用した教材を紹介します。
午前対策
「キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者」
すべての解説をイラストベースで行っているため、IT知識がない方でも分かりやすいと思います。
ただ、過去問に出てくる単語などで、テキストに掲載していないものも多く、細かい知識などで網羅できていないものがありました。
午後対策
全般
「出るとこだけ!基本情報技術者[午後]」
出題率の高い問題など、出題の傾向を把握できるので、効率的に対策すべき分野を知ることができます。午後試験まで時間があまりない人、社会人向けのテキストかなと思います。特に、SQLに関しては結構使える解法が載っていました!!!
アルゴリズム
「うかる! 基本情報技術者 [午後・アルゴリズム編]」
全体を通してイラストが多用されている点はイメージを掴みやすく、理解しやすいですが、
テキストの解説が少なく分かりにくい部分も多々ありました。
ですが、読者特典として、20回を超える過去問の解説動画や基本的なソートアルゴリズムの講義動画も見れたので、それはかなりアルゴリズムの学習に役立ちました。
Java
①「スッキリわかるJava入門 第3版」
説明がとにかく丁寧なので、Java初学者の方にも、かなり分かりやすい本だと思います。
Javaを基礎からしっかりと学んでいきたいという方にお勧めの本です。
ただ、ボリュームがすごいのでかなり時間がある方向けかもしれません、、、
②「改訂3版 基本情報技術者 らくらく突破 Java」
基本情報で出題される範囲についての文法などは網羅的に解説されています。
ただ、上記のテキスト(スッキリわかるJava入門)を読んだ後であればある程度理解できると思いますが、初学者にとっては少しわかりにくいかもしれません。
また、こちらの本もかなりボリュームがあるので、もしこのテキストを学習するなら、早めに取り掛かった方が良いです。
③「progate」
プログラミング学習アプリです。初心者がつまずきがちな「プログラミングをするための環境構築」の工程がないので、初心者でも気軽にコードを書いて学ぶことができます。
④「paizaラーニング」
paizaという転職サイト内にある、プログラミング言語を学習するためのWebサイトです。
このサイトもprogate同様に、環境構築をせずにコードを書く練習ができます。
自身が書いたコードによって、ランク付けされるので、ゲーム感覚でスキルを向上させてランクをあげていくことができます。
選択言語問題は、ただ文法が分かれば解ける問題だけでなく、コードを読む力がないと解けない問題も多いです。なので、テキストを読むだけでなく、上記に記載したようなオンライン学習サイトなどを使って実際にコードを書く練習をすることをおすすめします。
過去問対策
「基本情報技術者試験ドットコム 過去問道場」
過去問はこのサイトだけで十分だと思います。
登録すればこれまでの過去問を無料で解くことができますし、
年度別や分野別に問題を解くことができたり、間違えた問題をチェックして、自身の得意不得意を明確にできるのでとても使い勝手が良いです。
参考書を買って過去問対策をするのもよいですが、試験はPCで受験するので、私は、過去問道場を使って普段から本番に近い形で学習していました。
結局何のテキストを使えばいいの?
参考書、Webサイトなど色々使用しましたが、
午前試験も午後試験も自分の気に入った参考書一冊と過去問道場があれば合格点まで届くと思います。
しかし、私のように心配性な方は、プラスアルファで自分が苦手な分野の教材(アルゴリズム、選択言語)を学習するのが良いと思います。
私が行った学習方法
続いて私が実際に行った学習方法を紹介します。
午前試験
①「キタミ式イラストIT塾」を1周する ②過去問道場でひたすら過去問を解く(私は過去32回全ての過去問を解きました(笑)) ③過去問で間違えた知識や用語は調べ、その都度メモにまとめる ④間違えた分野のテキストを見直す ⑤間違えた問題は、チェック(過去問道場にはチェック機能があります)して、解けるようになるまで解き直す
といった流れで勉強すれば確実に8割以上の問題を解けるようになります。
過去問にはテキストには載っていない用語もたくさん出題されるため、初めは得点率が低くなると思います。
私も初めて過去問を解いたときは50%ほどしか点数が取れませんでした。
ですが、似たような問題も多々出題される為、何回も解いているうちに自然と得点率が向上します。
なので、時間の許す限り、間違えた問題を解けるようになるまで繰り返し過去問を解きましょう!
午後試験
午後問題は午前問題の過去問で7割ぐらい取れるようになってから学習するのをお勧めします。
ある程度知識がないと解くのが難しく挫折しやすいと思うので、、、
午後問題の学習方法は、問1~7,アルゴリズム,Javaに分けて説明します
問1~問7
① 「出るとこだけ!基本情報技術者[午後]」を一通り通読する ② 捨てる(勉強しない)選択問題を決めておく ※捨てる分野は2分野まで これ以上捨ててしまうと危険です、、 私は、ネットワーク分野がほんとうに苦手だったので勉強するのを放棄しました。 (午後問題の過去問に取り掛かる前に、これは絶対解けない、苦手、という分野を ある程度把握しておくことが大切です。) ③ 過去問道場で演習しまくる。 ④ ②と③を繰り返す。
アルゴリズム
①「うかる! 基本情報技術者 [午後・アルゴリズム編]」を一通り通読する 3章以降かなり内容が難しくなってくるので、時間がない方は3章まででも問題ないと思います。 ② 読者限定の動画が見れるので、その動画を見ながら実際にトレース(手を動かして)して、 アルゴリズムのロジックを確認する。 ③ 動画を見なくてもトレースできるようになるまで、繰り返す。 ④ 過去問を解いてみる。 ⑤「うかる! 基本情報技術者 [午後・アルゴリズム編]」の読者限定の動画で、過去問の解説も 見れるので、その動画を見ながら理解できるまでトレースを繰り返す。 ⑥ ④と⑤を繰り返す。
Java
①「スッキリわかるJava入門」を一通り通読する かなり、テキストのボリュームが多いので時間がない方にはあまりお勧めできません。 基礎的な文法などはこれ一冊である程度理解できるようになりましたが、 これだけでは午後問題の対策としては不十分かもしれません。 ② paizaやprogateなどのオンライン学習サイトを使ってコードを書く練習をする。 プログラミング言語の学習は、テキストを読むよりも、こういったオンラインの学習サイトを 使ってコードを書く練習をした方が身につくと思います。 ③ 過去問を解く ④ 分からない問題とコードを見ていて分からない文法などがあったら、調べる ⑤ 調べても分からない問題は、YoutubeなどにJava問題を解説している方がいるので、 その動画を活用する ⑥ ③から⑤を繰り返す。
分野別の目標点と時間配分
IT未経験の方がプログラミング言語で表計算以外を選択して合格点を目指すなら、
分野毎の目標点と時間配分を以下のように設定すると良いと思います。
分野 | 目標点 | 時間配分 |
問1〜7(計3問) | 8割 | 15~20分 |
アルゴリズム | 5〜6割 | 30分 |
プログラミング言語 | 5割 | 30分 |
未経験の方がアルゴリズムやプログラミング言語で高得点を取れるまでかなりの時間がかかると思います。私は、この二分野の学習にかなり時間をかけましたが、結局6割ほどしか取れるようになりませんでした。
ですので、これらの分野で、高得点を取ろう!などとは思わず、半分以上の点数を得点できるように学習することをおすすめします。
なぜなら、アルゴリズムやプログラミング言語の出来が悪くても、それ以外の分野で、8割以上確実に取れるように学習をすれば、十分合格することができるからです。
試験の時間配分は、問1〜7までは各問20分で8割取れるようにし、残りの時間で難しいアルゴリズムとプログラミング言語問題に費やすことが理想です。
過去問演習を行うときから、タイマーで時間を図るなど時間配分を意識して取り組みましょう!
試験の結果
私が受験した結果ですが、
午前 午後
77.5点 71.5点
午前、午後共に合格点の60点を越え、無事に合格することができました。


設問ごとに結果を見てみると、
午後試験では、やはり苦手なアルゴリズムと、Javaでは6割ほどしか点数を取ることができませんでした。
また得点源である情報セキュリティの点数もあまり良くなかったですね…
ただ、ハードウェア・ソフトウェア、サービスマネジメントで満点を取ることができたことで合格点に到達することができました!!!
いかに自分の得意分野で得点できるかが合格の鍵になっていると思います。
基本情報技術者試験を受験してみて
よくブログなどで「基本情報技術者試験に合格していても意味がない」と言っている人がいます。
確かに、ある程度プログラミングの知識があり、ITの基礎知識がある人にとっては意味がないかもしれません。
しかし、未経験でIT業界に飛び込んだ私にとって、
基本情報の学習をしたことでエンジニアとして仕事をする上で当たり前となる知識が身につきました。
なので、基本情報の勉強をして、絶対に損は無かったと思います。
基本情報はレベルが高すぎて、いきなりの受験はむずかしい!という方は、ITパスポートを先に受けてみるのもよいと思います。
基本情報は覚える範囲が多いですし、資格の難易度としては難しい試験ですが、
勉強しておいて損はないと思いますので、皆さん是非挑戦してください!
長くなりましたが、ここまで読んでくださった皆さんありがとうございました!!!